過去との対話を楽しめる…そんな人間でありたい

まずは読んだ本の紹介……そして広がる世界……だといいなあ

036)文三君と五代君……二葉亭四迷『浮雲』と高橋留美子『めぞん一刻』

久しぶりに 『「坊っちゃん」の時代』を読んだ……というブログ記事を、これまた久しぶりに描いたのが、前回のこと tankob-jisan.hatenadiary.jp ブログをまた書かなくては……と、思ったのが、先月の半ばだから一本の記事に半月もかかってしまった困ったもので…

035)『坊っちゃん」の時代』との出会い

小説や映画だけではなく、やはりマンガもぼくの人生に大きな影響を与えている 今でこそ(新しい)マンガをほとんど読むことがないが、かつては当たり前のようにマンガ少年だったし、多くの事柄はマンガから得たものだった その中でも最も影響を与えてくれた…

034) 本線に戻って……川島雄三の『しとやかな獣』

途中でロシアさんが邪魔をしたので前回ではなく、前々回からの続きになる 川島雄三の晩年の映画2本目 『しとやかな獣』(1962年) しとやかな獣 4Kデジタル修復版 [Blu-ray] 若尾文子 Amazon ある団地の一室、中年夫婦が客を迎えるために部屋を片付けているシ…

033) 今回のロシアによるウクライナ侵攻について……

川島雄三の映画の話をしようと思っていたら、ロシアがウクライナに侵攻してしまった このブログで時事ネタはいかがなものかと思っていたしかし、この状況下で全く無視するのも、それはそれでいかがなものかという気がする なので、川島雄三は、次に回して、…

032) 川島雄三の『雁の寺』を観る

またまた古い話で恐縮だが、むつ・田名部を訪れたのは四半世紀ぐらい前の話だろうか 野辺地から大湊線へそして、下北駅で、当時はまだ走っていた大畑線に乗り換え、田名部へ至る大畑線は2001年の廃止だから、出かけたのは、前世紀になる田名部から恐山へと向…

031) 古代ローマの本について、ちらほらと

前回のブログを書いた後、ふと、古代ローマの本を読みたくなった その理由はあとで述べるつもりだがそのために、書くべき予定で準備していたものが、後回しになるこれがぼくの悪いところで、あっちへふらふら、こっちへふらふらとしてしまうのだ なんとか、…

030) インターミッションとして……一つの英雄譚

気象庁のHPには広告がある国家の公式サイトとしては異例なのではないか? www.jma.go.jp 広告でサイト運営を賄うのが目的とのことらしい しかし、国土交通省それ自体のサイトあるいは国土交通省の外局、海上保安庁や観光庁のサイトこれらに広告があるわけが…

029) アニメーションではなく、アニメが生まれた話

「先生、これじゃアニメーションになりません」杉井はすがるような気持ちで手塚へいった。「いえいえ、ギッちゃん」と、手塚はまたもや笑顔で応じてきた。これはアニメーションではなく、〈テレビアニメ〉です。そういったという。『日本動画興亡史 小説手塚…

028) アニメではなく、アニメーションのお話

「よく かけとる だが…… きみは マンガ映画は 作れんな」タンバササヤマからきた宮本武蔵少年は、40年もマンガ映画に身をささげている断末磨老人に、自分の絵を否定される 「先生 待ってください」と、武蔵少年は懇願する。「どうして ぼく作れないんです 教…

027) 国家、国民、国語の誕生

明治中期以降、初詣という行事が鉄道会社によって作られたというのが、前回のお話 (川崎大師平間寺、成田山新勝寺こそ 初詣のオリジン) tankob-jisan.hatenadiary.jp 初詣のための乗降客を誘致するために、鉄道会社は宣伝合戦をしてその結果、初詣の客はう…

026) 初詣に行きましたか?

あけましておめでとうございます今年も少しずつブログを書いていきたいと思っています お正月、初詣に行きましたか?コロナで去年行けなかった人が多く、今年は二年ぶりとばかりに行った人も多いのでは?散歩途中に見かけた、そこそこ大きい神社はどこもすご…

025) ポール・ゴーギャンを求めて

ぼくはポール・ゴーギャンについて、何かを語られるほど、ゴーギャンや西洋絵画に詳しいわけではないただ、最近、といってもここ数年という意味だが、とても気になる画家なのだそれはなぜだろう?ぼく自身にも答えが出ているわけじゃない 昔々、高階秀爾の本…

024) 世界史を学びたい人へ……「市民のための世界史」

今どきは、歴史を学びたい・知りたいと思ったらYouTubeの動画を見るのだろうか? ぼくもYouTubeを好きなので、結構いろいろとみるが記録映画・ドキュメンタリーなどの一部を除いて、歴史ものの動画を見ることはたぶんないだろう 仮に「そんなこと知ってるわ…

023) 「恐れ入谷の鬼子母神」にて、思う

ある日のこと、鶯谷駅より散歩を始める 鶯谷駅も何回も来たことがあるが、北口に来たのは初めてだ 北上し、荒川区に入るこの辺りの道がくねくねと入り組んでいる たぶん、元は川だったと思われる これだけ入り組んでいるということは震災(関東大震災)の影…

022) 黒澤明の「天国と地獄」(1963年)を観る

黒澤明の「天国と地獄」(1963年) 天国と地獄 [Blu-ray] 三船敏郎 Amazon 工場からたたき上げで出世した靴会社の常務・権藤(三船敏郎)の家に、他の重役たちが社長の追い落としをすべく協力を要請しにやってくるしかし、利益しか考えない他の重役との話は…

021) 「自然はいいなあ」……っていうけど、「自然」ってなに???

「自然に囲まれた生活」の「自然」とは何だろう? 例えば、この写真 東京あきる野市 横山入里山 この写真には「自然」は写っていないしいて言うならば、青い空ぐらいか もう少しわかりやすい写真は 栃木県下野市……だったと思う 水田……田んぼの写真だ 緑にあ…

020) 「武家の歴史」 (岩波新書 青版) 中村 吉治 を読む理由

久しぶりに仙台へ行ってきた 秋の仙台駅 なかなか、書き進められない、このブログ…… そんな状態ではあるが、このブログを僕が書こうと思ったのは、恩師の死を友人から伝え聞いたからだ tankob-jisan.hatenadiary.jp その恩師のお宅へご挨拶に行かなくてはな…

019) 「漢字伝来」を読む(短め路線をめざして!)

「漢字伝来」 (岩波新書) 大島 正二 (2006年) 漢字伝来 (岩波新書) 作者:大島 正二 岩波書店 Amazon 最近読んだ本、たぶん再読 文字を持たない日本列島の人々が中華文明の漢字に出会い、それを受容し、漢字を使って日本語を書き表すことができるようにな…

018) 星の王子さま と あのときの王子くん

横浜馬車道 横浜正金旧本店 前回は映画の「ガス燈」 tankob-jisan.hatenadiary.jp そして、ガス燈といえば、サン=テグジュペリの「星の王子さま」(内藤 濯・訳)「あのときの王子くん」(大久保ゆう・訳)を思い出すでしょ? 星の王子さま (岩波少年文庫) 作…

017) やっぱり、イングリッド・バーグマンはすばらしい

化物の正体見たり枯尾花 (横井也有) この有名な句も、知覚と認知のずれを見事に表している 前回、考古学について、書こうとして、なぜか、このずれについて語ってしまったそして、その話がまだ続く…… 今回、この「ずれ」で思い出したのが、「ガス燈」とい…

016) 最初は、こんな話を書くつもりじゃなかった

エドワード・S・モースは来日後、横浜から東京(新橋)への移動の際に汽車の窓から大森付近の鉄道工事あとにたくさんの貝殻を発見した (確かに鉄道のすぐわきを通る) これは、何事も観察が大事というお話電車の中で本ばかり読むぼくはきっと何も発見しえな…

015) 数学の天才とその悲劇……天才って何だろう?

マギー・ホープ アメリカで育ったイギリス人の女性数学が得意でMITの大学院入学の権利を持つが学費調達のため、祖母の家を売るために、ロンドンに向かう古い祖母の家はすぐに売ることはできず、管理をしている間に時局は急激に動き…… 1939年9月1日ナチス・ド…

014) ぼくは数学も苦手だ

数学こそ暗記科目である というのが、ぼくの持論の一つである 問題を繰り返し解き、解法パターンを覚え、それを実際の試験で瞬時に思い出せるか 言葉化されないと、ものを覚えることのできないぼくにとってそして、何よりコツコツ努力することが大の苦手のぼ…

013) ぼくは算数ができない

まだ このブログに出てきていない趣味が一つあるのだがその趣味をする際に、数を多く数える必要がある これが困ったことに、ぼくは繰り上がりや繰り下がりの計算が苦手なのだ繰り上がりはまだしも、とくに繰り下がりは……時間がかかるw だから、その趣味で、…

012) ヨーロッパの火薬庫に火薬を入れたのは誰なのか?

010)では、東側社会とその崩壊で翻弄されたバルカン諸国の人たち tankob-jisan.hatenadiary.jp 011)ではその前、第二世界大戦の前のバルカン諸国のイメージ tankob-jisan.hatenadiary.jp について、語ってきた(つもり) さまざまな民族、宗教が入り乱れる…

011) 呪われたバルカン半島??

バルカン超特急(The Lady Vanishes) バルカン超特急(字幕版) マーガレット・ロックウッド Amazon これは、イギリスで製作された最後のヒッチコック映画この後、ヒッチコックはハリウッドで映画を作ることになる 戦争間近のヨーロッパ、そのヨーロッパの…

010) この本のタイトル以上のブログのタイトルを思いつけるわけがない

たまには、すこしは新しい本を、と 「嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) 米原 万里 (2004)」 を取り出して、読み始める(あれ?20年ぐらい前の本だ どこが新しいのだろうw) 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) 作者:米原 万里 KADOKAWA Am…

009) 神話と伝説のあいだにあるもの

当時はKoboパーク宮城 今は楽天生命パーク宮城 つまりは宮城球場 「ナチュラル」という野球映画があるとても美しい映画だ ナチュラル Ce (字幕版) Robert Redford Amazon 父と子のキャッチボールで始まる 父と子のキャッチボールの風景これこそ、アメリカ…

008) ハンフリー・ボガードとハードボイルド……名前も実は似ている……

答えるのに困る質問というのがある 「マルタの鷹」 ハードボイルドとは何か…… ハードボイルドのヒーロー像 答えるのに困る質問というのがある その一つは「一番好きな映画はですか?」(むろん、映画の代わりに、本でも、小説でもなんで入れられる) 一番好…

007) 港の見える丘公園にて

横浜を歩く 大佛次郎 大佛次郎記念館 港の見える丘公園にて 未来への矢印 横浜を歩く 港町は、坂の町である長崎も、神戸も、横浜も そんな横浜を歩く 山を上ったり、下ったりしながら、山手公園、元町公園と写真を撮りつつ、散策する 山手公園 日本庭球発祥…