003)ある春の日のゼミナール室の思い出からすべて始まる
9月のある日、見慣れないメールアドレスからキャリアメールに連絡が入った
「○○先生が亡くなりました」
「昨年大病をして……」
と、今年の年賀状の恩師の文言を見たときから
予想はしていたものの……
やはり、それはショックな出来事ではあった
その日を境に
「何かをしなければならない」
心の奥から小さな声が聞こえてきた
恩師への感謝というものをどのように返すべきか
自分ができるところから、小さなところからでもやるべきだろう
それが、このブログを始める契機である
恩師から受け取ったボールを
なんとか、投げ返してみよう
それが大海に向かって、であったとしても
ひょっとしたら、
波間に漂う小ビンのように、
いつか、だれかが、受け取るかもしれないのだから
さて、最初の最初について思い出すのは
何年も何年も何十年も前
何気なしに受講した基礎ゼミナール
そういえば、考えてみると、
正式に恩師から受けた講義というのは、このゼミナールだけだ
次の年、先生は別の大学に移られ、正式に講義を受けることはできなくなったのだから
その代わりといっては何だが……
その大学の学部ゼミナールを(学生でもないのに)何年か受講させてもらったが……
つまり、あの春の日、入学したてのあの日
確か火曜の5限だったと思うが……
小さなゼミナール室に行かなければ
この基礎ゼミナールをとらなければ
たぶん、たんこぶ~じーさんの人生は違っていただろう
「そういうのは、もう高校の時、全部やったよ!」
入学した時、大学って、すごーーーくつまらないと思っていたのだから
たぶん、つまらない人生になっていたはずだ
「大学というのは、学問の仕方がわかれば、卒業していいのですよ」
先生はいつもこうおっしゃっていた
結局、学問の仕方がわかったかどうか、
それは今でもわからない
ただ、わかったことは、
貪欲に知識を求めたいという気持ちが大事
それはきっと間違っていないということだけ
学問だけではなく
というか、いわゆる学問なら劣等生なので
本や映画やその他いろいろなことをおしえてもらい
たまには……否、ちょくちょく言い返すので
すごくかわいがっていただいたと思う
前回までの本
「チャリング・クロス街84番地-書物を愛する人のための本」
ヘレーン・ハンフ, 江藤 淳 (中公文庫)
も恩師に紹介されたものだ
そして、
その基礎ゼミナールの課題図書が
「パリ・コミューン」(中公新書) 柴田 三千雄
というわけで、何十年ぶりに読み返してた
以下、次号!